リキッドネットワークは9日、公式説明で9月6日15時53分(協定世界時、リキッドブロック4,050,336)に発生した不正流出事件の詳細を明らかにした。
運営元のブロックストリーム(Blockstream)によると、同社が手がけるビットコイン( BTC )のサイドチェーンでは、オープンソースソフトウェア「エレメンツ(Elements)」の検証プロセスに存在した脆弱性が悪用され、準備BTCの裏付けを持たない約4,000LBTCが不正に生成されたという。
リキッドネットワークが発行するUSDTなど他の資産自体は今回の脆弱性の影響を受けていないが、ネットワーク停止に伴い一時的に利用できない状態が続く。運営元は利用者に対し、現時点で資産保護のための対応は不要としている。
攻撃者はリキッド連合(Liquid Federation)の一員でペグアウト認証鍵(PAK)を保有するサイドスワップ(SideSwap)の標準的なペグアウト機能を使い、不正なLBTCを通常のBTCへ交換した。
検証エラーはペグアウト実行前の取引段階で発生していたため、サイドスワップ側のノードとリキッド連合の各機能ノード(functionary)はこれを正規のLBTCとして受理し、約4,000BTCがサイドスワップのホワイトリスト登録済みアドレスを経由して攻撃者側のアドレスへ送金された。
リキッドネットワーク側は、機能ノードのハッキングや秘密鍵の漏えいはなく、ペグアウトの仕組みそのものは設計どおりに作動したと説明している。
事件前に約4,205BTCあった準備金は、9月6日の流出と停止までに処理された追加のペグアウト分を合わせ、約197BTCまで減少した。原因究明は続いており、単独では発生確率の低い複数の要因が重なって既存の防御機構を突破したとしている。
攻撃者はビットコインのメインチェーン上に、自らを白色(ホワイトハット)のセキュリティ研究者と名乗るメッセージを残し、脆弱性対応への連絡を呼びかけた。
ブロックストリームは9月7日1時9分(協定世界時)までにブリッジノード向けの修正パッチを配置し、脆弱性を突けない状態にした。同日16時9分(協定世界時)には、攻撃者側から3400BTCがリキッド連合のペグウォレットへ返還されたが、全体の約15%にあたる約598.5BTCは9月8日時点でも未回収で、返還交渉が続いている。
今後は、修正済みソフトウェア「エレメンツv23.3.4」の緊急版を48時間以内をめどに公開し、機能ノード運営者が不正なペグアウトの無効化を含む調整を行ったうえでネットワークの正常化を進める計画。
リキッドネットワークは現時点でも停止したままで、利用者は取引できない状態が続くが、ノードを運営していない一般利用者が独自に取るべき対応は現時点でないとしている。


