ヘッジファンド大手ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者のレイ・ダリオ氏は21日、自身のリンクトイン投稿で、米国の債務危機に備え国債の保有を減らし、資産の10〜15%を金、さらに少額をビットコイン( BTC )に振り向けるよう投資家に呼びかけた。ブルームバーグやCNBCが報じた。
同氏は米政府の今年の歳入を5.5兆ドル、歳出を7.5兆ドルと試算し、差し引き2兆ドルの財政赤字が生じるとした。金利負担だけで約1兆ドルに上り、借り換えが必要な債務も約10兆ドルに達するという。
ダリオ氏によれば、企業に例えた場合の年間債務返済額は約11兆ドルに上り、歳入の約200%に相当する規模だ。このペースが続けば、債務危機は3年前後(前後2年の変動を伴う)で到来し得るとの見方を示した。
長期国債の利回りは数年ぶりの高水準に上昇しており、米国債最大の海外保有国である日本は、円相場を支えるため保有する米国債を売却してきた。国債急落を食い止めるため、スコット・ベッセント米財務長官は今週、長期債の買い戻し拡大を発表した。
ベッセント氏は20日、CNBCの取材に対し、買い戻し規模が40億ドルを超える見通しだと説明した。
ダリオ氏は財務省の買い戻し余力が限定的だと指摘し、7月の米財政赤字が4,320億ドルに達したことに懸念を示した。ただし、ベッセント財務長官は同赤字がトランプ政権下で既にピークを打った可能性があると語った。
ダリオ氏は財政赤字を国内総生産(GDP)比3%まで縮小すべきだとし、現状の約6%から歳出削減、増税、金利引き下げの3つを同時に進める必要があると論じた。いずれか一つに偏った調整は混乱を招きかねないとしている。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)が不自然に金利を押し下げるような強引な調整は好ましくないと主張した。景気が健全なうちに対応を進めることが重要で、景気後退局面では政府支出の増加が避けられないと論じた。
同氏の投稿と同じ21日、金相場は5月以来の高値まで上昇した。ビットコインも7万7,000ドルを突破し、2023年以来最大となる週間上昇率に向かっている。
一方で、長期国債利回りの高止まりは株式相場を圧迫しており、S&P500種指数はこの週に3週連続の上昇を止めた。
今回のダリオ氏の発言は、直近の発言とは異なる内容も含んでいる。同氏は7月末に出演した英ポッドキャスト番組「ザ・ダイアリー・オブ・ア・CEO」で、自身のポートフォリオに占めるビットコインの比率が約1%にとどまると明かした。
当時は量子コンピューターの実用化に伴う将来的な脆弱性を懸念点として挙げる一方、ハードマネーとしての配分目安を資産全体の5〜15%とし、大半を金に振り向ける考えを示した。