ビットコインのソフトフォーク提案「BIP-110」を巡り、マイナーからの支持が伸び悩んでいる。BIP-110は、特定のsatoshi(ビットコインの最小単位)に画像やテキストを書き込むOrdinals(オーディナルズ)やRunes、BRC-20など、ブロックチェーン上に金融取引以外のデータを書き込む用途を一時的に制限する内容で、2025年後半に原型となる提案が示された。
通常のソフトフォークが95%前後のハッシュレート支持を必要とするのに対し、BIP-110は55%という低い閾値での早期ロックインを可能にする設計となっている。
閾値に届かない場合も、2026年8月7日ごろに強制的なシグナリング開始(ブロック高961,632付近)が予定されており、以降は新ルールに非対応のブロックが無効扱いとなる。複数の集計サイトによれば、直近のマイナー信号率は1%に満たない水準にとどまっている。
これはUASF(ユーザー活性化ソフトフォーク)と呼ばれる仕組みで、マイナーの支持率にかかわらず対応ノード側が独自にルールを強制する形だ。
ただしBitcoin Core(ビットコインで最も広く使われる基盤ソフトウェア)がBIP-110を採用していないため、ネットワークが分裂するリスクも指摘されている。
米ストラテジー会長のマイケル・セイラー氏は5日、自身のX(旧Twitter)で、ハードな合意形成こそがビットコインの「免疫システム」だと投稿した。
手数料がブロックスペースの価格を決め、ノードがポリシーを定め、マイナーがブロックを構築し、保有者が資本配分を担うという役割分担を説明し、プロトコルの変更には圧倒的な合意が必要だと述べた。
同氏は投稿でBIP-110を名指ししなかったが、悪いアイデアは実害を及ぼす前に淘汰されるべきだとの立場を示した形だ。セイラー氏はプロトコル変更を巡る意図せぬ弊害を警戒している。
Nakamoto社CEOのデビッド・ベイリー氏はセイラー氏の投稿と同様の趣旨で、BIP-110を「乗っ取り未遂」と表現した。
ベイリー氏によれば、推進派が独自のマイニングプールを運用していたにもかかわらず、活動化を目前にした時点でもブロックの1%の信号すら獲得できていなかったという。
一方、BlockstreamのアダムバックCEOらBIP-110に反対する側は、低い閾値での活動化がチェーン分裂のリスクを高めると警鐘を鳴らしている。