ロシアで1日、輸出入企業がビットコインおよびステーブルコインを対外貿易決済に使用することを正式に認める法的枠組みが施行された。財務省とロシア中央銀行が調整にあたった同制度は、2024年から続いていたパイロット運用を正式な法制度へと移行させたものだ。
新たな枠組みのもとで仮想通貨取引を取り扱えるのは、中央銀行が認可した8つのプラットフォームに限定される。10万ルーブル(約20万円)を超える取引は、中央銀行とロシアのマネーロンダリング対策機関への報告が義務付けられ、国内決済には引き続き使用できない構造になっている。
今回の制度化は、2022年の対ロシア制裁でSWIFTへのアクセスを遮断された後、制裁回避の手段として仮想通貨決済を活用してきた経緯の延長線上にある。
2024年に始まったパイロット運用では、エネルギー・金属・穀物の取引を中心に、国内で採掘されたビットコインをアジアの買い手との決済に用いてきた。2025年には仮想通貨を介した対外貿易の規模が約1兆ルーブルに達したと報告されており、中国・トルコ・インドとの取引がその中心を占めたという。
現在グレーゾーンのプラットフォームを通じて取引している企業は8つの認可取引所への移行が求められ、2027年中頃からは違法な仮想通貨仲介業者への罰則がさらに強化される予定だ。
仮想通貨の貿易決済制度化と並行して、ロシア中央銀行はもう一つの決済インフラの整備を進めている。ロシア中央銀行総裁は今週、中央銀行金融カンファレンスでのブリーフィングで「デジタルルーブルの広範な普及に向けた準備はすべて整っている」と発表したと報じられた。
9月1日を期限に、システム上重要な銀行12行と年間売上が1億2,000万ルーブルを超える大手小売業者がデジタルルーブルの受け入れを義務付けられる。ただ、中央銀行の支払いシステム部門は1〜2行が期限に間に合わない可能性を認め、2026年末までの猶予を与える方針を示している。
一方、ロシア政府系調査機関の調査では、多くのロシア国民がデジタルルーブルを「難解な抽象的概念」と受け止めており、給与全額をデジタルルーブルで受け取る意向を示した回答者は経済活動人口の約10%にとどまっていることが明らかになった。同総裁は「デジタルルーブルが市民にも企業にも真に必要とされ、利便性の高いものになることを望んでいる」と述べたという。


