分散型デリバティブ取引所ハイパーリキッド(HYPE)を支えるハイプ財団は29日、米ドル建てステーブルコインUSDHの運用終了の影響を受ける開発者に対し、移行コストの補填などとして、総額約1,000万ドル(約16億円)の助成金を提供すると発表した。
助成金の対象は、影響を受けるネットワーク標準規格HIP-1スポット市場のデプロイヤー、HIP-3無期限先物市場のデプロイヤー、HyperEVM上のプロトコル、USDHからUSDCへの専用ブリッジ、Native Markets(USDHの運営に関わる中核プロジェクト)となる。
USDHのチームは5月中旬、USDHの運用を段階的に終了していくと発表していたところだ。背景としては、大手仮想通貨取引所コインベースがハイパーリキッドにて、ステーブルコインUSDCの正式な「トレジャリー・デプロイヤー」になったことがある。
これにより、コインベースがハイパーリキッド内のUSDCに対するサポートを拡大し、USDCが優先的に使用されるようになった。同時に、コインベースはハイパーリキッドの独自トークンHYPEのステーキング量を大幅に増やしている。
コインベースは、24時間年中無休で稼働するオンチェーン市場が拡大する中、USDCに流動性を一本化することで、市場の効率性を高め、通貨変換の回数を減らして資本を自由に流動させることにつながると述べていた。
USDCは多くのブロックチェーンで利用されているため、他のDeFi(分散型金融)プロジェクトとの相互運用性が高まることも期待される。
ハイプ財団によると、「移行助成金」はUSDHを導入しており運用終了に影響を受ける市場や、USDCへ移行するチームに支給される。また、「事業縮小助成金」はUSDHを導入しており、USDCへは移行せずUSDHに依存する事業を縮小・終了させるチームに支給される。
助成金の受領者は、7月末までに移行または事業縮小を完了させることになる。
HIP-1およびHIP-3に関する助成金は、そのプロジェクトがオークションで支払った市場開設コストに基づいて算出されると説明した。HyperEVMに関する助成金は、運用終了の影響を受けるUSDHのTVL(預かり資産総額)に基づいて算出される。
ギャラクシーデジタルは5月、コインベースとの提携拡大で、ハイパーリキッド上のUSDC準備資産から得られる利回りにより、ハイパーリキッドの収益が20%近く増えることになるだろうと予想した。
また、ハイパーリキッドの経済状況はすでに良好であり、第1四半期(1~3月期)に1億9,200万ドルの収益を上げ、2026年には7億6,000万ドルの収益を達成するペースにあるとも述べる。
経済面の他、プロダクト面でのメリットもあると指摘。USDHはマーケットメーカーやユーザーにとってUX(ユーザー体験)上の摩擦を生じさせ、HIP-4取引ペアの拡大ペースを鈍化させていたが、USDCという価格の基準となる資産を確保することで、これが改善される可能性があるとの見解を示した。