仮想通貨データ分析会社のクリプトクアントは23日付のウィークリーレポートで、マイケル・セイラー会長率いるストラテジーの変動利率永久優先株STRCが先週82.5ドルまで下落し、額面100ドルに対して過去最大の17.5%ディスカウントを記録した背景と要因を分析した。
STRCは100ドルのパー水準付近での取引を想定して設計された証券だ。ビットコインの弱気相場に加え、ストラテジーが5月に2029年満期のゼロクーポン転換社債15億ドルを買い戻したことでキャッシュリザーブ(現金準備金)が急減し、下落を増幅させたとクリプトクアントは指摘した。
ストラテジーの現金準備金は2026年初来38%減少してきた。一方で年間配当義務は2026年初の約3億ドルから現在の12億ドルへと約4倍に膨らみ、配当カバレッジ期間は7年超から14ヶ月まで急速に縮小した。
配当カバレッジを24ヶ月(2年間)まで回復させるには、現在の保有額の約2倍にあたる約28億ドルの現金準備金が必要だとクリプトクアントは試算した。
STRC配当は累積型であり、配当停止を選択した場合でも後日全額支払いが求められる仕組みになっている。
クリプトクアントによると、ストラテジーは現在、106億ドルのBTC投資含み損を抱えている。2024年・2025年・2026年に購入したビットコインはすべて含み損の状態にあり、現在の価格水準での強制売却は大規模な損失確定につながると分析した。
クリプトクアントはストラテジーに対し、現金準備金と配当カバレッジが回復するまでビットコインの新規購入を停止するよう提言した。
「ストラテジーは常に局所的な天井で買う」という表現が市場で広まっていると指摘した上で、資金調達するたびに購入するのは戦略ではなくサイクルの天井での積み増しになると述べた。
また次の強気相場に向けた規律ある売却枠組みの構築も提言した。サイクル高値での一部売却はリスク低減と株主価値の実現につながり、安値での再積み増しに必要な資金を確保できるとしている。
ストラテジーによるMSTR株新規発行やSTRC配当利回り引き上げといった対策はすでに実施されている。ただ、市場の信認を回復するためには現金準備金の増額が最も直接的なシグナルになるという見解を示した。


