*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
ビットコイン( BTC )は、5月22日から23日朝にかけて下落し、円建てでは節目となる1,200万円を割り込んだ。
背景には、米国で新たに議論されている「ビットコイン準備金法案」において、市場で期待されていた「100万BTCの購入義務」といった強い内容が盛り込まれず、政策期待が後退したことがある。さらに、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)が約320億円相当のビットコインを取引所に送金したとの情報も、売り圧への警戒感を強める要因となった。
加えて、米上院で進むクラリティー法案をめぐっては、銀行委員会での可決後も、倫理条項の議論や本会議での審議に不透明感が残っている。民主党がトランプ氏の暗号資産利益相反・倫理条項を問題視していることから、ポリマーケット上の成立予測も、70%超から50%前後まで低下しており、規制整備への期待後退が相場の重荷となっている。
現物市場およびデリバティブ市場では、成行注文ベースで断続的な売りが続いている様子が確認できる(下画像青枠)。
CME先物市場では、5月下旬以降、未決済建玉が減少傾向にある。これは、機関投資家を含む市場参加者の一部がポジションを縮小していることを示しており、暗号資産市場から一時的に資金が抜けつつある兆候といえる。
オプション市場では、PCR(プット・コールレシオ)の上昇傾向が続いている。プット需要の高まりは、投資家が下落リスクへのヘッジを強めていることを示すものであり、市場全体として警戒感が徐々に高まっている(下画像黄枠)。
足もとでは複数のニュース要因が重なり、下落圧力を受けている状況である。米ビットコイン準備金法案の新案において、100万BTCの購入義務が盛り込まれなかったことが失望売りを誘った。その直後にTMTGによる取引所送金が伝わったことで、売り圧への警戒が一段と強まった格好である。
さらに、6月第2週以降に予定される米上院でのクラリティ法案の審議をめぐっても、不透明感が残る。銀行委員会での可決されたものの、倫理条項議論の着地点や本会議での可決見通しはなお不安定であり、政策期待の後退が先物・オプション市場にも波及している。