米証券取引委員会は、米国株のトークン化資産の取引を許可する「イノベーション免除」制度を今週中にも発表する見通しだ。ブルームバーグの19日報道によれば、発行企業の同意を得ずに第三者がトークンを発行できる新たな枠組みが導入されるという。
この免除制度により、議決権や配当といった従来の株式と同等の権利を提供する条件のもとで、分散型金融(DeFi)プラットフォームでの証券取引が可能となる。
SECのポール・アトキンス委員長らが推進するこの施策は、既存の規制枠組みの外で並行市場が機能するかを検証する数年間の実験として位置づけられている。
SECは今年1月の公式声明において、トークン化証券を発行体主導と第三者主導の2種類に分類し、後者の法的な位置づけの整理を進めてきた。これに呼応するように、ニューヨーク証券取引所やナスダックなどの伝統的な金融機関もトークン化資産の取引に向けたインフラ構築を急ピッチで進めている。
第三者によるトークン発行が解禁されることで、約1,300億ドル規模のDeFi市場において米株に連動する合成資産の取引が活発化するとみられる。
一方で、投資家保護の観点から市場の流動性分断やスマートコントラクトのセキュリティリスクを懸念する声も根強く残っている。
DeFiプラットフォームでは今年に入り、数億ドル規模の資金不正流出が相次いでおり、証券業界団体やCitadel社など主要企業が免除制度の導入に警戒感を示している。
米連邦議会で仮想通貨の管轄権を定めるクラリティー法案の審議が進むなか、SECの新たな方針は米国株式市場の構造を大きく変革する可能性がある。マネーロンダリング対策やハッキングに対する投資家保護の仕組みを維持しつつ、ブロックチェーン決済の効率性をどのように導入していくかが今後の焦点となる。


