国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
今週の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は、前週に続き確りと推移となり、24日正午時点で、1250万円周辺で推移している。
週初は、週末に高まっていた中東情勢の緊張を引き継ぎつつも、米・イランの和平交渉再開に向けた動きが確認され、過度なリスクオフは後退。相場は1200万円周辺からジリ高に推移した。さらに、米・イランの停戦期限となった21日には、トランプ米大統領が無期限の停戦延期を発表し、相場は1250万円周辺まで水準を切り上げた。
しかし、米・イランの和平交渉第2ラウンドの具体的な進展が確認されないなかで買いの勢いは続かず、高値圏では利食い売りに押され失速。加えて、イラン側から交渉再開に向けた明確な動きが見られなかったことも重石となり、週後半にかけてはジリ安基調に転じた。結果として、上値は1260万円近辺で抑えられる一方、下値は1220万円台で一定の下支えが意識されるなど、上昇後に伸び悩む推移となった。
BTC相場は、引き続き中東情勢の帰趨が主導する展開が続くだろう。
注目の米・イラン関係を巡っては、和平交渉の第2ラウンドは実現していないものの、停戦期限が延長されたことで、即時的な軍事衝突リスクは一旦後退している。ただし、現時点でイラン側から交渉再開に向けた具体的な動きは確認されておらず、トランプ米大統領が示唆した24日前後での協議再開も不透明感が強い状況にある。したがって、交渉再開に向けた具体的な進展が確認されるまでは、市場は様子見姿勢を維持しやすいとみられる。
一方、28日から29日にかけて開催されるFOMCも重要なイベントとなる。市場では政策金利の据え置きが概ね織り込まれているが、声明や会見における中東情勢への評価や、それがインフレ見通しや金融政策スタンスにどのように反映されるかが焦点となろう。もっとも、地政学リスクが再び強まる局面では、市場の関心は中東情勢に集中し、FOMCの影響は相対的に限定される可能性がある点には留意したい。
相場の展開としては、米・イランの和平交渉が再開し、進展が確認される場合にはリスク選好が回復し、BTCは上値を試す展開が想定される。この局面では、足元で蓄積しているショートポジションの解消が重なりやすいと指摘され、8万ドル(約1278万円)水準の突破が一つの分岐点となる可能性がある。同水準を明確に上抜けた場合には、ショートスクイーズを伴い、200日移動平均線が位置する8万ドル台半ばから、節目となる9万ドル近辺(約1358万円〜1438万円)まで上昇余地が広がる可能性がある。
他方、交渉に進展が見られない場合でも、テクニカル面での地合いの持ち直しが下値を限定する展開も想定される。ただし、停戦期限延長後も進展が見られず、再び軍事的緊張が高まる場合には、直近の上げ幅を縮小する展開にも警戒しておきたい。
以上を踏まえると、現状では方向感を決定づける材料に欠けるなか、中東情勢のヘッドラインに振られやすい相場環境が続くとみられる。尤も、上方向についてはショートポジションの偏りが確認されていることから、ポジティブな材料が重なった場合の上昇余地は大きくなる可能性があるだろう。
関連: ビットバンクプラス 公式サイト
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