暗号資産(仮想通貨)ビットコイン( BTC )の米国の現物ETFは先週(13日から17日)、合計で約9.9億ドル(約1,580億円)の資金が純流入した。
デジタル資産投資商品全体への資金フローもプラスで推移しており、専門家は背景の1つに、米国とイランの紛争に対する楽観的な見方があることを挙げた。
以下のグラフは、米ビットコイン現物ETFのSoSoValueのデータで、緑と赤の棒グラフが週ごとの資金フローを示している。このグラフからわかるように、先週で3週連続の純流入となった。また、先週は2026年1月中旬以降、最大規模の資金が純流入している。
米国のビットコイン現物ETFでは、モルガン・スタンレーの新ETF「MSBT」が8日の水曜日に上場。先週の資金フローは、MSBTが初めて5営業日にわたって取引されたことでも注目度が高い。先週には、MSBTが上場後わずか6営業日で1億ドル超の純流入を記録したことが関心を集めていた。
先週の資金フローを受け、仮想通貨取引所BTSEの最高執行責任者であるジェフ・メイ氏は「The Block」に対し、「機関投資家は、米国とイランの永続的な緊張緩和が目前に迫っていると考えている。結果として、ビットコインETFの購入を増やしている可能性がある」との見方を示した。
一方で「個人投資家の需要は改善してきているが、継続的に勢いが増していくには米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げが必要である」と分析した。
そして、「FRBによる追加利下げは、米国とイランの紛争の前は資金流入を導く主要材料だった。中長期的に、センチメント(市場の心理)の重荷になるだろう」とコメントしている。
なお、メイ氏は機関投資家が米国とイランの紛争に楽観的であると述べたが、両国の停戦や協議はまだ先行きが不透明だ。紛争によって原油高になれば、FRBの追加利下げが遠のくことにつながる。
また、コインシェアーズ(CoinShares)でリサーチ部門のトップを務めるジェームズ・バターフィル氏は20日、ETFなどのデジタル資産投資商品全体の先週における資金フローは、約14億ドル(約2,220億円)の純流入だったと発表した。
以下のグラフが、デジタル資産投資商品全体における週ごとの資金フローの推移。このグラフもビットコイン現物ETFと同様、3週連続で資金が純流入していることを示している。
また、以下の表は、デジタル資産投資商品への資金フローを原資産別に見たデータ。バターフィル氏はビットコインの商品が純流入を主導したと説明した。
バターフィル氏は、資金フローがプラスで推移している主な要因について、米国とイランの停戦協議によって投資家のリスク選好姿勢の回復が継続しており、ビットコインが7万6,000ドルを超えて、2月の下落後の最高値に達したことも追い風になったと述べている。