仮想通貨データ大手コインゲッコー(CoinGecko)は16日、「2026年Q1 仮想通貨業界レポート」を公開した。同レポートによると、2026年第1四半期(1〜3月)の仮想通貨市場全体の時価総額は前四半期比20.4%減(約6,220億ドル減)の2.4兆ドルで終了し、2025年10月の過去最高値から約45%下落した水準にとどまった。
市場下落の主な引き金となったのは、1月中旬のケビン・ウォーシュ(Kevin Warsh)次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長指名だ。金融引き締め路線への転換を示唆するこの人事報道を受け、市場は急速に売られた。
加えて、米国とイランの軍事的緊張が地政学リスクを高め、仮想通貨市場全体のセンチメントを悪化させた。ビットコイン( BTC )は同期間に22%下落し、NASDAQ(7.1%減)やS&P500(4.8%減)といった米株指数を大幅に下回るパフォーマンスとなった。
取引所動向では、中央集権型取引所(CEX)上位10社のスポット取引高が前四半期比39.1%減の2.7兆ドルに落ち込み、3月単月では2023年11月以来の月間最低水準となる0.8兆ドルを記録した。
一方、分散型取引所(DEX)ではソラナ( SOL )が30.6%のシェアでチェーン別スポット取引量トップを維持したものの、3月にはイーサリアム( ETH )に首位を奪われる場面もあった。
底堅さを示すシグナルは複数存在する。まず、市場全体が急落する中でもステーブルコイン市場は3,099億ドルでほぼ横ばいを維持し、資金がエコシステム内に留まり続けていることを示した。
サークルのUSDCは2.4%増の771億ドルへ拡大し、スカイ(Sky)のUSDSとWLFI(World Liberty Financial)のUSD1もそれぞれ30.8%、32.5%と急成長を遂げた。
また、分散型デリバティブ取引所ハイパーリキッド(Hyperliquid)ではコモディティ系無期限先物(HIP-3)がOI全体の約30%を占めるまでに拡大。中東情勢の悪化による原油価格急騰(同期間76.9%増)を追い風に、4月9日には原油先物の日次取引高がビットコインを初めて上回り、デリバティブ市場の構造変化を印象づけた。


