分散型予測市場ポリマーケットは4日、批判を受けてイランにおける米軍パイロットの救出可能性に関する賭けをプラットフォームから削除した。
問題となったのは、「米国は〇日までにパイロットが救出されたと公式発表するか?」という賭けであり、参加者は4月3日か4日かを選択できた。
自身も海兵隊で戦闘経験を持つセス・モールトン下院議員(民主党)は4日、この投稿を批判し、Xに次のように投稿している。
また、ドナルド・トランプ大統領の息子である、トランプ・ジュニア氏がポリマーケットに関与していることを指摘。まだ公開されていない情報にアクセスできる可能性があるとの見解を示した。
トランプ・ジュニア氏は、昨年8月にポリマーケットのアドバイザリーボードに参加。この際、同氏がパートナーを務める投資会社1789キャピタルもポリマーケットに出資している。
ポリマーケットは議員の指摘に応じて、ただちに当該市場を削除した。「この市場は当社の倫理基準を満たしていないため、直ちに削除した」「社内の安全対策をすり抜けてしまった経緯を調査している」と述べている。
しかし、モールトン議員はイランに関わる他の賭けも問題視している。ポリマーケットにはまだ、「米軍がイランに侵攻するのはいつ?」「米イラン停戦はいつ?」などの市場が存在しており、ユーザーはまだ「米国の部隊の生死に賭けることができる」状況だと表現した。
その上で、ポリマーケットの倫理基準は著しく欠如していると訴えている。なお、ドナルド・トランプ大統領は5日、今回の件で言及された米軍パイロットはその後発見され、負傷しているが無事だと発表している。
分散型予測市場は、特に2024年の米大統領をきっかけに注目を集め成長が加速しているところだ。ポリマーケットは3月、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)から6億ドルの追加出資を受けたと発表。
ICEのポリマーケットへの累計投資額は16億ドル(約2,600億円)規模に達している。
一方で、分散型予測市場でスポーツ賭博やインサイダー取引が行われる可能性について当局や議員が指摘。例えば、イラン空爆の直前にポリマーケット上で不審な取引パターンが確認され、インサイダー取引だった疑惑が浮上した。
こうした状況も背景に、ポリマーケットと競合のカルシは3月、プラットフォーム上で提供される各種契約で、政治家や関係アスリートがインサイダー取引を行うことを禁止する新規則を発表している。
また米上院の超党派議員らが3月、米商品先物取引委員会(CFTC)が規制する予測市場に対して、スポーツイベントやカジノ型ゲームに関連する契約の上場を禁止する法案を提出した。これらの契約を「中毒性の高い賭博」だとしている。