世界最大級のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者レイ・ダリオ氏は16日、ホルムズ海峡の支配をめぐる「最終決戦」の結果によって、世界の勢力図が塗り替えられる可能性があると指摘した。
「すべてはホルムズ海峡の支配権にかかっている:”最終決戦”」と題した投稿で、ダリオ氏は、現在のイラン情勢を歴史的な帝国の衰退パターンと重ねて分析。もし、米国がホルムズ海峡の支配権の掌握に失敗した場合、その理由にかかわらず、「トランプ大統領と米国は敗北することになる」と警鐘を鳴らした。
この戦争の勝利は「ホルムズ海峡の安全な航行を確保できるかどうかで容易に測れる」ため、その攻防は非常に大規模なものになると同氏は予測する。トランプ大統領は、ホルムズ海峡の安全確保をめぐり、日本や欧州の同盟国に支援を要請しているが、執筆時点で支援を明確に承認・公約した国は確認されていない。
ダリオ氏は、1956年のスエズ運河危機における英国の衰退をはじめ、重要貿易ルートの支配権喪失が17世紀スペイン帝国と18世紀オランダ帝国の崩壊に繋がった歴史的事例に言及。米国がホルムズ海峡の支配権を喪失した場合、同国にとって重大な損失となり、歴史と同じパターンを辿る可能性が高いと見ている。
「最終決戦」の結果は、市場(債券、通貨、金)と地政学的パワーに大きな影響を与える。
勝者の側に人・国家・資金は集まるため、米国がホルムズ海峡の航行を支配できなければ、米国の覇権と現在の世界秩序が脅かされることになると、ダリオ氏は警告している。
ダリオ氏は、大きな歴史の流れにおいて基軸通貨が下落する局面では、金に大きな信頼を寄せているが、ビットコイン( BTC )は、金の代替資産にはなり得ないと明言している。
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しかし、3月に入り、安全資産とされる金の価格が停滞する中、執筆時点でビットコインは7万5,000ドルを突破し、日本円では1,200万円台を回復した。中東情勢の緊迫化や世界情勢の不安定化を背景に、特定の国家に依存しない「無政府資産」としてのビットコインへの関心が急速に高まっているようだ。
中央銀行や政府の管理が及ばないビットコインは、基軸通貨ドルへの信頼が揺らぐ局面で、その存在感をいっそう高める。ダリオ氏が警告するように、覇権国が軍事・金融の両面で統制力を失いつつあるとき、投資家は国家の信用リスクから隔離された資産へと資金を退避させる。
従来、その筆頭は金だったが、現在はデジタルネイティブ世代を中心に、ビットコインを「デジタルゴールド」として選好する動きが加速している。
さらに足元では、パキスタンやインド船籍など複数のタンカーがホルムズ海峡を通過したとの報道を受け、原油供給への過度な懸念が後退。WTI原油(USOIL)が5営業日ぶりに反落した。原油価格の下落は、膨大な電力を消費するビットコインマイナーのエネルギーコスト低減に直結する。マイニングの収益を圧迫していた要因が緩和されることで、ネットワークの安定性強化と売り圧力の減少につながり、BTC価格の追い風となった。
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