米決済大手マスターカードは11日、85社以上の仮想通貨関連企業・金融機関が参加する「クリプト・パートナー・プログラム(Crypto Partner Program)」を正式に立ち上げたと発表した。バイナンス、サークル、リップル、ジェミナイ、ペイパルなど業界の主要プレイヤーが名を連ねており、クロスボーダー送金やB2B決済、グローバルな資金移動のインフラ整備を共同で推進していく方針だ。
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同プログラムの発表に合わせ、マスターカードはUSDCを発行するサークルのCCO(最高商務責任者)カッシュ・ラザギ氏のコメントを公開した。ラザギ氏は仮想通貨市場が「投機からインフラへ」移行しつつあるとの見方を示し、「規制整備が進む中、主要銀行やカードネットワークを含む金融機関が、ブロックチェーンを実用インフラとして採用する動きが加速している」と述べた。
ステーブルコインの主なユースケースについてラザギ氏は、現時点では取引・投資が最大の用途であるとしつつも、今後はクロスボーダー決済と価値の保全が急成長するとの見通しを示した。
クロスボーダー決済では仲介業者の排除により手数料削減や決済時間の大幅短縮が見込まれ、価値保全ではハイパーインフレに苦しむ国々の市民による米ドル代替手段としての需要が高まっているという。
マスターカードとの提携についてラザギ氏は「マスターカードの参加がこの技術と業界全体に大きな信頼性をもたらす」と評価した。マスターカードは同プログラムを通じ、ブロックチェーン上の決済と既存カードネットワークを橋渡しする役割を担うとしている。
ステーブルコイン市場の拡大を示すデータも報告されている。Artemis Analyticsによると、2025年の世界のステーブルコイン送金総額は前年比72%増の33兆ドルに達した。マスターカードにとって今回のプログラムは、急拡大する仮想通貨決済市場への本格参入を示す戦略的な一手となりそうだ。
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