仮想通貨界の著名投資家であり元BitMEX CEOのアーサー・ヘイズ氏が3月2日、自身のSubstackニュースレターで「iOS Warfare」と題した論考を公開した。今回の論考では、米国の中東関与が長期化すると、金融政策にまで影響が及び、結果としてビットコインやリスク資産が恩恵を受ける可能性があると分析している。
ヘイズ氏は冒頭で、皮肉を交えつつ米国が中東へ軍事的に関与する様子を「AI戦争」と表現し、米政府とAI企業が協力してサイバーインフラに介入する未来像を描写する。しかしこの比喩の核心は、戦争遂行に要する巨額支出が米経済と金融政策に影響を与えるという点にある。
具体的には、1990年代の湾岸戦争、2001年の「対テロ戦争」など過去40年の米軍事行動を振り返り、その後に米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を引き下げたり資金供給を拡大した歴史的事例を挙げた。
こうした過程を踏まえ、ヘイズ氏は「戦争が長引くほど、FRBは景気下支えのために容易な金融政策へシフトする可能性が高まる」と主張している。
実際、1990年の湾岸戦争では油価上昇と景気不透明感を背景にFRBが利下げに動いた時期があり、2001年の同時多発テロ後もアラン・グリーンスパン議長の下、緊急利下げが実施された事例もあるとされる。これらは、経済下振れリスクへの対応として中央銀行が金融緩和を選んだ歴史的パターンとして提示された。
ヘイズ氏はまた、現在の米国とイラン間の緊張関係を念頭に、「もしトランプ政権がイランへの関与を深め、長期化すれば、財政負担と市場の不安が高まり、FRBが金融緩和に舵を切る政治的余地が生まれる」と指摘する。
このシナリオでは、ドル流動性の増加と金利低下がビットコイン( BTC )のような希少資産を強化する可能性があるという。
ただし同氏は、現時点で金融緩和が確定的とは言えないとの慎重な立場も同時に示している。投資戦略については、「FRBが利下げや資金供給拡大を公式に実施したタイミングで、ビットコインや一部の有望なアルトコインを買い増すのが合理的」と述べ、実際の政策決定を待つべきとの見方を示している。
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