米国の暗号資産(仮想通貨)ビットコイン( BTC )現物ETFは、2月19日に約1億6,500万ドル(約256億円)の純流出を記録。3日連続の流出超過となった。専門家の間ではこの動きが示す今後の動向について意見が分かれている。
SoSoValueのデータによると、5週間の流出総額は40億ドル(約6,200億円)弱となった。こうした継続的な流出は、機関投資家のビットコインへの投資意欲低下を示すのか、レバレッジのリセット局面なのか議論が起こっているところだ。
まず前向きな見方としては、Brickkenのアナリスト、エンマニュエル・カルドゾ氏は、ETF(上場投資信託)からの資金流出はポジションの調整を表していると主張。2025年の好調な市場から弱気相場への転換で、レバレッジファンドや短期投資家がポジションを減らすのは自然なことだと評価している。
ビットコイン現物ETFが立ち上げられて以来の累計純流入額は依然として明確なプラスだとも指摘。レバレッジが低下すれば資金流出のペースは変化し、価格が安定すると予想した。
ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は19日、米国のビットコイン現物ETFへの累計純流入額は昨年10月に630億ドルでピークに達し、現在は約530億ドルだと指摘している。
バルチュナス氏ら専門家は当初、初年度の流入額を50億ドルから150億ドルと予測していたが、実際にはわずか2年で530億ドル(約8.2兆円)の純流入があったと続ける。
こうした需要の大きさは、昨年10月より大きくビットコインが下落する中でのETFからの資金流出について考察する上で重要だとする格好だ。まだ運用資産総額が維持されていることに前向きな見方を示しており、米国の金融業界とビットコインの関係性も好調であると続けた。
一方で、Coin Bureauの共同創業者であるニック・パックリン氏は、底値形成時期はテクニカル指標だけでなく流動性によって決まると意見した。
同氏は、オンチェーンのスポット(現物)取引量データが売り圧力の継続を示していることを強調。ETFへの流入が再開するかドルが大幅に下落しない限り、ビットコイン価格は55,000ドルから58,000ドルの領域へと下降する可能性があるとしている。
また、仮想通貨オンチェーン分析企業のクリプトクアントも12日、実現価格のサポートラインは約5万5,000ドルであり、ビットコインの底値はまだ試されていないと分析していた。
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Glassnodeも最新の週次レポートで、ビットコインは市場参加者の平均的な含み損益の分岐点を示す「True Market Mean(真の市場平均)」の約79,000ドルを明確に下回ったと指摘したところだ。
このため、今後は流通しているすべてのコインの平均取得コストである54,900ドル付近が、構造的な底値になると分析している。
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