暗号資産(仮想通貨)コングロマリット企業デジタルカレンシーグループ(DCG)のバリー・シルバート創設者は11日、今後数年間で、ビットコイン( BTC )にあてられた資産の5%~10%がプライバシー重視の仮想通貨へと流入するだろうとの見方を示した。
ニューヨークで開催されたビットコイン関連カンファレンスでの発言だ。「分散型ポートフォリオの中核としてビットコインには非常に強気」としつつ、「変革をもたらし、100倍、500倍、1,000倍といったリターンの可能性があるプロジェクトに投資したい」と述べる。
シルバート氏は、米ドルが完全に崩壊しない限り、ビットコインが500倍のリターンをもたらす可能性は低いとしている。
一方で、ジーキャッシュ( ZEC )やAI(人工知能)駆動型ネットワークBittensorのように、ユースケースを絞り込んだ小規模プロジェクトは成長サイクルの初期段階にあるため、はるかに高いリターンの可能性を秘めていると意見する格好だ。
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シルバート氏は、特にプライバシーの問題を指摘した。ビットコインは従来は「匿名の現金」であるという見方があったものの、ブロックチェーン分析企業のチェイナリシスなどが台頭し、取引の解析が進歩する中、この認識は過去のものだと述べる。
また、ビットコインが強力なプライバシー機能を採用するようになることには懐疑的だ。そのため、資金はプライバシーを中核に据えて設計されたネットワーク、特に取引データを保護するゼロ知識技術を採用したネットワークに流入すると予想した。
シルバート氏が期待する銘柄として挙げたジーキャッシュはゼロ知識証明を採用している。たとえば、実際の残高や取引履歴を明かさないまま、残高や取引履歴が間違っていないことだけを証明する仕組みを備えている。
ジーキャッシュは昨年9月から11月にかけて990%を超える急騰を示し、一時期は720ドル超に達した。なお、現在は230ドル付近まで下がっているが、過去一年間では600%上昇しているところだ。
シルバート氏率いるDCGは、傘下の仮想通貨運用企業グレースケールが投資信託「グレースケール・ジーキャッシュ・トラスト(ZCSH)」を提供しており、昨年米証券取引委員会(SEC)にETFへの転換を申請した。
DCGはジーキャッシュのプロモーションを昨年より頻繁に行っている。なお、日本ではジーキャッシュが過去に上場していたものの、現在は違法利用へのリスクから他のプライバシー銘柄とともに上場廃止されている状況だ。
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シルバート氏は、量子コンピュータのリスクについても触れた。ビットコインに対する量子リスクが差し迫っているとは考えないとしつつ、ジーキャッシュはそのリスクに対する長期的なヘッジとして機能する可能性があると話した。
プライバシーについては、イーサリアム( ETH )もプライバシーを当たり前のものにすることを目標に掲げているところだ。
ユーザーが身元や意図を明かさずにブロックチェーンからの読み取りを行ったり、送金、投票、アプリケーションとのやり取りなどの操作をプライベートに行ったり、証明の生成と検証を高速化しプライベートでアクセス可能にすることなどを目指すとしている。
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