米連邦預金保険公社(FDIC)は6日、暗号資産(仮想通貨)関連の情報公開法(FOIA)訴訟で和解することに合意した。
FDICは、仮想通貨取引所コインベースの指示で開示請求を行った調査会社ヒストリー・アソシエイツの弁護士費用を全額支払い、情報公開法をめぐる慣行を見直すことに同意している。
この件は、コインベースが2023年にヒストリー・アソシエイツを通してFDICに、銀行による仮想通貨の取り組みに関する内部文書の開示請求を行なったことにさかのぼる。
同社のポール・グレウォル最高法務責任者は、FDICらが、金融機関に対して仮想通貨企業の預金に上限を設定するなど、仮想通貨企業が銀行サービスを受けることを制限している可能性を指摘。このことに関する内部文書の開示を求めていた。
米国の行政手続法(APA)では、新たに統一的な方針を銀行に課す場合には、一般からの意見募集を行うことが義務付けられている。FDICはそのプロセスを経ずに制限を設定していた可能性があった。
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FDICは当初、文書の存在自体を含め開示を全面的に拒否。その後、2024年にヒストリー・アソシエイツはFDICに対して訴訟を起こした。裁判所はFDICに対し、内容を精査して一部を編集した上で開示するよう繰り返し命じ、FDICの「誠実な努力の欠如」に懸念を表明した。
原告は、FDICが一律に情報を非開示とすることや、適切な検索が行われず、応答すべき記録が見逃されていること、記録保存の不備など、不適切な慣行を行っていると主張していた。
一方、仮想通貨に積極的なトランプ政権に交代すると、FDICは「透明性の拡大」を掲げる新方針を示した。その結果、FDICは情報公開法で求められる以上の透明性の向上を目指すとして、790ページに及ぶ追加文書を公開している。
公開した文書には、仮想通貨やブロックチェーン関連の活動に関心がある銀行に対して、実際にFDICが自粛を促すような応答をしていたことを示すものだった。
今回の和解に基づき、FDICは方針変更を約束している。職員に対し、開示請求の対象範囲の解釈範囲を広げるよう指示する文言を研修資料に追加することや、すべての監督文書の開示を一律で差し控えるという方針を今後は維持しないことを宣言することなどが含まれている。
コインベースのポール・グレウォル氏は和解成立後、次のようにXに投稿した。
オペレーション・チョーク・ポイント2.0とは、政府・規制当局が、仮想通貨関連企業を水面下で金融システムから締め出そうとしていた動きを指す。トランプ大統領は、こうした政策を終了する大統領令を発している。
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