オンチェーン分析企業Santimentは27日、X(旧Twitter)への投稿で、主要12銘柄のステーブルコイン時価総額が過去10日間で22.4億ドル(約3,360億円)減少したことを明らかにした。この減少は、ビットコイン価格の8%下落と同時期に発生しており、仮想通貨市場の流動性環境が変化していることを示している。
Santimentの分析によると、ステーブルコイン時価総額の減少と仮想通貨価格の下落が同時に発生している背景には、複数の要因が絡んでいる。
まず、投資家が伝統的な安全資産へ資金を移動させている点だ。金と銀が史上最高値を更新する中で仮想通貨市場が下落していることは、市場参加者がリスク回避姿勢を強めていることを示唆している。
次に、市場内での資金循環が断たれている点が重要だ。通常、トレーダーがビットコインやアルトコインを売却しても、資金はステーブルコインとして市場内に留まる。しかし今回は時価総額自体が減少しており、投資家が法定通貨に換金して市場から完全に退出していることを示している。
さらに、ステーブルコインは仮想通貨購入の主要な流動性源であるため、その供給減少は短期的な買い圧力の低下を意味する。特にアルトコインは流動性枯渇の影響を受けやすく、市場全体の回復力が制限される状況だ。
Santimentは、歴史的に強い市場回復はステーブルコイン時価総額が再び増加し始めるときに発生すると指摘している。ステーブルコイン時価総額の増加は、新規資金の流入と投資家信頼の回復を示すシグナルとなるため、今後の市場回復にはステーブルコイン時価総額の反転が不可欠だとの見方を示した。
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一方、アナリストのDarkfost氏は1月26日、イーサリアム上のステーブルコイン動向について独自の分析を発表した。
同氏によると、イーサリアム上のステーブルコイン(ERC-20規格)の時価総額は、わずか1週間で70億ドル減少し、1,620億ドルから1,550億ドルに下落した。これは今回の強気サイクルにおいて初めての急激な減少であり、市場の転換点となる可能性を示している。
Darkfost氏は、この減少メカニズムについて、投資家がステーブルコインを法定通貨に換金することで需要が減少し、ステーブルコイン発行プロトコルが余剰供給をバーン(焼却)すると説明。この傾向はイーサリアムだけでなく他のブロックチェーンでも確認されており、マルチチェーンでの同時発生が懸念される。
同氏はまた、2021年にも同様のステーブルコイン時価総額減少が発生し、それがビットコインの弱気相場入りの確認シグナルとなったと指摘。この状況が早期に改善されなければ、一時的な「循環的」調整ではなく、「構造的」な市場変化になる可能性があると警告している。
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