資産運用大手VanEck(ヴァンエック)のヤン・ヴァン・エックCEOは、2026年第1四半期の見通しについて「リスクオン相場」だと強気の姿勢を見せる一方で、ビットコインについては4年サイクルの崩壊を示唆し、不確実性を価格予測に織り込むべきだと主張した。
人気ポッドキャスト「Thoughtful Money」のインタビューで、ヴァン・エック氏は、同社が2017年からビットコインに強気の姿勢をとっており、金(ゴールド)を補完する資産と位置付けていると述べた。しかし、昨年はパフォーマンスが極めて低調な年となり、多くの投資家を失望させたことを認めた。
ビットコインには供給量に上限があり、4年に一度半減期(マイニング報酬の半減)を迎えるという基本構造に変わりはない。しかし、同氏はこれまで語られてきた「3年間の高パフォーマンス後、4年目に暴落・低迷する」という4年サイクルはすでに崩れていると指摘。実際には、ビットコインが3年間連続で最高のパフォーマンスを記録した例は過去に存在しないと述べた。
ヴァン・エック氏は、従来のサイクルなら2026年はビットコインの調整局面に当たる年であり、価格予測には一層の不確実性を考慮すべきだと主張。弱気相場ではドルコスト平均法による取得が望ましいが、もし価格が7万ドル台まで下がれば、「非常に良い買い場になる」と述べた。
ヴァンエック社には短中期で強気な専門家(リサーチ部門責任者マシュー・シーゲル氏やポートフォリオマネージャーのデービッド・シャスラー氏)もおり、社内でも意見は分かれていると指摘する一方で、ヴァン・エック氏自身は、3〜6カ月は様子見をしたいと考えているという。なお、同氏はビットコインを一切売却しておらず、長期的な姿勢は変わっていないと付け加えた。
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ヴァン・エック氏は、イーサリアムも昨年は苦戦したが、ネットワーク上では非常に多くの活動が行われており、深刻なダメージを受けたアルトコイン市場の中で「最も有望な資産」であると指摘した。また、同僚らは、分散型金融(DeFi)分野におけるいくつかの投資機会に「夢中になっている」と述べ、高パフォーマンスを見せた一つのトークンを例として挙げた。
同氏が言及したのは、時価総額260億ドル(約4.1兆円)の分散型・オフショアデリバティブ取引所のHyperliquidだ。金融当局の規制を受けていないためリスクは高いものの、明確な収益モデルを持つ点を評価している。
ヴァン・エック氏は、Hyperliquidが、世界最大級の資産運用会社ヴァンガード(Vanguard)が採用している相互会社構造(株主がおらず、顧客自身が会社を所有する形態)をトークンの経済設計のコンセプトとしていると説明した。Hyperliquidでは、利益を用いて既存のトークンを買い戻し、コミュニティ(Hyperliquidで取引する利用者)で利益を分配する仕組みとなっている。現在、Hyperliquidは年間12億5,000万ドル(約1.990億円)の収益を上げるまでに成長している。
ヴァンエック社は昨年9月、米国でHyperliquid(HYPE)の現物ステーキングETF、欧州でETP(上場投資商品)の申請を準備していると発表した。
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