仮想通貨オンチェーン分析企業のクリプトクアントは9日、暗号資産(仮想通貨)市場の週間レポートを発表。大口投資家の買いや、長期保有者の売りについて誤解されていると分析した。
まず、ビットコイン( BTC )のクジラ(大口投資家)は下落局面で押し目買いをしていないと述べる。クジラの保有量は2023年初頭以来、急速なペースで減少していると指摘した。
取引所アドレスを除いた、1,000~10,000BTCを保有するアドレスの総残高の一年変動は、2024年3月頃に+409,000BTCで今回のサイクルのピークに達した後、現在は1年前から-220,000BTCに減少していると続けている。
これは、2023年初頭以来の最大の保有量減少だ。同様の状況は2021年から2022年の弱気サイクルでも発生していた。
クリプトクアントは、クジラによる新たなビットコイン蓄積を指摘する意見もあるが、これは真の投資家需要ではなく、取引所ウォレットの活動によるものだと主張している。
取引所内部の送金が、クジラの保有指標を大きく歪めているとも述べる。取引所とマイニングプールのアドレスを含めると、クジラの保有残高が見かけ上、大幅に増加するとした。
こうした送金は、主にコインベースにおける内部ウォレット間の移動によるものだと分析。投資家の行動を正しく評価するためには取引所アドレスを除外する必要があると強調した。
関連: ビットコイン「4年サイクル終焉説」は時期尚早=著名アナリスト分析
一方で、ビットコイン長期保有者による売却は、主要データでは誇張されているとの見解を示した。2025年後半の長期保有者による記録的な資金移動は、コインベース内部の送金に大きく影響されたとしている。
2025年11月には30日間資金移動のピークとして155万BTCが報告されていたものの、そのうち約65万BTC以上は、売却ではなく、取引所内部の資金移動によるものだったと分析した。
確かに、長期保有者による売却は依然として高い水準にあるが、新記録を更新するほどではないとしている。取引所を除いた長期保有者の資金移動は、2025年11月に約90万BTCに達した。
これは過去最大級ではあるものの、「前例のない投げ売り」という規模ではないと分析している。
その他、クリプトクアントはETF(上場投資信託)とビットコイン・トレジャリー企業による保有量の伸びは大幅に鈍化し、現在は減少傾向にあると指摘した。
1,000BTCから10万BTCを保有するアドレス(ETFとトレジャリー企業を含む)の保有量年間成長率は2024年1月以来初めてトレンドを下回っており、このアドレス群からのビットコイン需要が大幅に減少していることを示していると分析する。
こうした規模のアドレス群は、今のサイクルにおけるビットコイン需要の伸びの大部分を牽引してきた。保有量年間成長率は、2024年初頭から31%減速しており、機関投資家の需要の弱まりを示していると述べる。
関連: ビットコイン、弱気相場入りかクリプトクアントが需要減速を指摘