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Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始

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ブロックチェーン開発支援企業のKomlock labと東証グロース上場のTDSEは12月24日、AIエージェントによる自律決済の実証実験を開始すると発表した。

日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用しながら、AIが人間の介在なく契約・決済を実行する「Agentic Commerce(自律型決済経済)」の実現を目指す。

AIエージェントとは、目標を自律的に達成するAIシステムのこと。従来のチャットボットと異なり、複数のタスクを自動で実行することができる。暗号資産業界では、DeFi(分散型金融)プロトコルの自動運用やオンチェーンデータ分析、トレーディング戦略の実行などへの応用が期待されている。

実証実験では、TDSEが運営するECサイトのレビュー分析ツール『KAIZODE』の分析機能をAIエージェント向けAPIとして提供。AIが「特定商品のレビュー分析結果が必要である」と判断した際に、JPYCで自律的に決済してデータを取得するフローを構築・検証する。

両社によると、現行の金融インフラは人や法人への紐づけを前提としており、AIプログラム自体に決済権限を持たせることにはガバナンスやセキュリティ上の課題がある。また、AIが必要とする少額かつ瞬時の取引(マイクロペイメント)も既存の手数料構造では実現が困難だという。

この点で、ブロックチェーンとステーブルコインを活用することでAIがウォレットを通じて自律的に資金を管理でき、低コストで即時のマイクロペイメントが可能になる。

AIエージェントによる自律決済は世界的に注目を集めている分野。マスターカードは10月の決算発表で、CEOのマイケル・ミーバッハ氏がAIエージェント型コマースとステーブルコインを新たな成長軸として強調。AIエージェントが同社の決済ネットワーク上で取引を仲介できる「Mastercard Agent Pay」を展開している。

関連: マスターカードCEO「AIエージェントとステーブルコインが新成長軸」、決算報告

コインベースもAIエージェントがUSDCで自律的に売買できる「AgentKit」を開発し、エージェント間決済の標準プロトコル「X402」の普及を進める。グーグルも9月にAIアプリ間決済の新プロトコルを発表し、コインベースと協力してステーブルコイン対応を実現した。

関連: AIが自律的に売買する時代へ、コインベースが描くエージェントコマースの未来|WebX2025

TDSEは「データに基づいて意思決定を高度化する」をミッションに掲げ、ビッグデータ・AI活用ソリューションを提供する上場企業。本実証では同社のAI分析ツール「KAIZODE」とエージェント構築技術を提供する。「KAIZODE」はECサイトのレビューを収集・分析し、生成AIで要約やインサイト抽出を行うテキストマイニングツールである。

Komlock labは2024年9月設立のブロックチェーン開発企業で、「元素騎士オンライン」や「HEAL3」などのWeb3プロジェクト開発を支援してきた実績を持つ。本実証ではAIエージェントの自律決済技術とブロックチェーン基盤の実装を担当する。

TDSE代表の東垣直樹氏は「AIエージェントが自律的に経済活動を行う未踏の領域へ踏み出す重要な一歩」とコメント。Komlock lab代表の布目雅登氏は「AI分析ツールとJPYCによるマイクロペイメントを組み合わせ、AI経済圏のユースケースを日本から創出する」と述べた。

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