ロシア中央銀行は23日、ロシア市場における暗号資産(仮想通貨)規制のコンセプトを考案し、政府に対して法改正の提案を行ったと発表した。
提案通りに法改正されれば、適格投資家とそれ以外の投資家に別々のルールを設けた上で、規制下で両者が仮想通貨にアクセスできるようになることを説明。まずは、2026年7月1日までに法律の枠組みの原案を作成する予定だ。
ロシアの仮想通貨規制を巡っては、仮想通貨を規制した上で認可したい財務省と比較して、ロシア中央銀行は仮想通貨を禁止したい考えであることが以前は伝えられていた。また、ロシアには適格投資家と一般の投資家を区別する考えがあることも前から明らかになっている。
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ロシア中央銀行は今回の発表の冒頭で、仮想通貨がリスクの高い投資資産であるとの見方は維持すると強調した。仮想通貨は発行体が明確でなかったり、国・地域によって保証されていなかったりするというリスクがあると説明している。
また、価格変動が大きく、制裁リスクもあると指摘。その上で、仮想通貨の購入を判断する際は、資産を失う可能性があることを認識すべきだと伝えた。
他にも、「仮想通貨」とは言葉を変えた上で「デジタル通貨とステーブルコインは通貨資産に分類され、売買はできるが、国内で決済に使用することはできない」というコンセプトであるとも述べている。
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投資の規制案については、適格投資家ではない投資家は、非常に流動性が高い仮想通貨にのみアクセスできるようになると説明。対象となる仮想通貨の基準については法律で規定するとしている。
そして、テストに合格した後、1つの仲介企業を介して1年につき30万ルーブル(約60万円)を上限として購入できるようにすることを提案した。
一方、適格投資家については、匿名通貨以外は全ての仮想通貨に投資できるとし、取引額の制限も設けない。それでも、仮想通貨特有のリスクを十分に認識していることを証明できるテストに合格する必要はあるとした。
なお、匿名通貨の定義は「スマートコントラクトが送金に関する情報を非公開にする」仮想通貨であると説明している。
他にも、仮想通貨の取引は事業ライセンスを持つ既存のインフラを介して行うこと、海外の口座を介して国外で仮想通貨を購入できることなどのルールを設けることを提案した。
今後は、2026年7月1日までに法律の枠組みの原案を作成した後、2027年7月1日から、銀行と同様に仮想通貨市場の違法な仲介企業に対して法的責任を導入する予定だと説明している。
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