米ホワイトハウスのデビッド・サックス仮想通貨担当官は19日、「クラリティ法案(市場構造法案)」が1月に上院で審議入りすることを確認した。
サックス氏は上院銀行委員会のティム・スコット委員長、農業委員会のジョン・ブーズマン委員長との協議を経て、「トランプ大統領が求める画期的なクラリティ法案の成立にこれまで以上に近づいている」とX(旧ツイッター)で表明した。
両委員会はそれぞれSECとCFTCを監督する立場にあり、法案の成立には両委員長の協力が不可欠となっている。
市場構造法案は、仮想通貨が証券か商品かの分類基準を定め、証券取引委員会と商品先物取引委員会の管轄を明確化するものだ。
業界が遵守すべきルールを明確化することで、中長期的な企業や資金の参入促進が期待される。
同法案は7月に下院を通過済みで、1月の上院審議では条文の修正や採決が行われる見通しだ。
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これに先立ち17日には、スコット委員長主催で上院銀行委員会と業界代表者による会議が開かれた。
仮想通貨企業からコインベース、クラーケン、リップル、a16z、チェーンリンクなどが参加したほか、伝統的金融機関のゴールドマン・サックス、BNYメロン、証券業金融市場協会(SIFMA)なども出席し、約1時間半にわたり法案の詰めの協議を行った。
会議では証券と商品の定義、分散型金融(DeFi)における仲介者の判断基準、ステーブルコインの利回り付与問題などが議論された。出席者は「2025年最後の意見表明の機会となった」と述べ、1月の本格審議に向けた調整が進んでいることを示唆した。
法案の支持者は、規制の不確実性を解消し、企業のコンプライアンス負担を軽減することで、米国における仮想通貨イノベーションを促進できると主張している。
ただし、上院では60票の賛成が必要となるため、超党派の協力が不可欠となる。また1月末には連邦政府の予算期限も控えており、政府機関閉鎖が再発すれば法案審議がさらに遅延する可能性もある。
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