米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、トランプ大統領による仮想通貨関連の恩赦決定を批判し、公共安全に関する政治的議論を強化した。州政府は今週、トランプ氏の恩赦対象者を追跡するウェブサイトを立ち上げた。
ニューサム氏は「カリフォルニア州は犯罪率を下げているが、トランプ氏は犯罪者を恩赦し政府に招き入れている」と主張した。
トランプ氏が恩赦を与えた仮想通貨業界の要人の中で、最も注目されているのがバイナンス創設者のCZ氏だ。CZ氏は2023年11月に効果的なマネーロンダリング対策プログラムを実施しなかったとして銀行秘密法違反で有罪を認め、2024年4月に懲役4カ月の判決を受けていた。バイナンスは米司法省と43億ドルの和解合意に達した。
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同じく仮想通貨関連では、ダークウェブ市場シルクロードの創設者ロス・ウルブリヒト氏も恩赦を受けた。ウルブリヒト氏は2億1,400万ドル以上の違法薬物販売を促進したとして、2015年に麻薬とマネーロンダリング陰謀罪で終身刑判決を受けていた。
また、アーサー・ヘイズ氏を含む仮想通貨取引所ビットメックスの共同創設者4人にも恩赦が与えられた。
仮想通貨業界以外にも、恩赦を受けた政治家や公職者が複数いる。元ホンジュラス大統領フアン・オルランド・エルナンデス氏は、職権を利用して400トンのコカインを米国に密輸した罪で懲役45年の刑を宣告されていたが、トランプ氏から恩赦を受けた。ホンジュラス政府は彼の逮捕状を発行している。
また、元イリノイ州知事ロッド・ブラゴジェビッチ氏も恩赦対象となった。同氏は政治汚職で有罪となり、州病院への資金提供を保留しながら上院議席の任命権を売ろうとしていた。トランプ氏は当初14年の刑期を減刑し今年に入って完全な恩赦を与えた。
ニューサム知事は責任ある仮想通貨革新を支持する一方、消費者保護を優先すると表明した。カリフォルニア州は2019年以降、犯罪対策に17億ドルを投資し、主要都市で暴力犯罪が18%減少するなど犯罪率が継続的に低下していると新データで示されている。
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