仮想通貨取引所ジェミニは10日、米商品先物取引委員会(CFTC)から指定契約市場(DCM)ライセンスの承認を取得したと発表した。
これにより、同社の関連会社ジェミニ・タイタンを通じて予測市場事業に参入する。2020年3月に申請してから約5年間の審査を経ての承認となった。
ジェミニ・タイタンは、将来の出来事に対する「イエス」または「ノー」の二者択一式イベント契約から予測市場事業を開始する。米国のジェミニ顧客は近日中に、保有する米ドル残高を使用してウェブインターフェースでイベント契約を取引できるようになり、モバイルアプリ経由の取引も間もなく利用可能になる予定だ。
同社のキャメロン・ウィンクルボス社長は「予測市場は従来の資本市場と同等か、それ以上の規模になる可能性がある」と述べ、CFTC代行委員長のキャロライン・ファム氏がイノベーション推進型の規制当局として米国を新市場でリードできるよう位置づけたと評価した。
同社は今後、米国顧客向けに仮想通貨先物、オプション、無期限先物契約などのデリバティブ商品への展開も検討している。
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予測市場は2024年以降、急速な成長を遂げている。業界をリードするカルシとポリマーケットは、2025年11月だけで両社合わせて約100億ドル(約1兆5000億円)の取引高を記録した。
カルシは年間換算で500億ドル(約7兆5,000億円)の取引高を達成し、世界市場シェアの60%以上を占める。ポリマーケットは11月にCFTCの承認を得て米国市場への復帰を果たし、ニューヨーク証券取引所の親会社から20億ドル(約3,000億円)の投資を受けた。
ロビンフッドやコインベースなども予測市場への参入を進めており、ジェミニの今回の参入により、業界全体の競争が一層激化している。
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