イーロン・マスク氏が運営するソーシャルメディアプラットフォームX(旧Twitter)の決済サービス「Xマネー」(X Money)が、新たな決済プラットフォームを構築するシニアエンジニアの募集を開始した。
この求人に対し、ソラナの公式アカウントが3日、「Xマネーの技術リーダーを募集している。これは数億人の金融サービスへのアクセス方法を形成する機会だ」と投稿し、人材探しへの協力姿勢を示した。
注目すべき点として、ソラナのアドバイザーであるニキータ・ビアー氏が今年6月にXのプロダクト責任者として入社しており、ソラナとXの関係が深まっている可能性が指摘されている。
マスク氏は以前から、Xを中国のWeChat(微信)のような「スーパーアプリ」に変革する構想を表明してきた。WeChatはメッセージング、決済、ショッピング、配車サービスなど、あらゆる機能を1つのアプリで提供し、中国では13億人以上のユーザーが日常生活に欠かせないツールとして利用している。
マスク氏は2022年のTwitter買収時から「Xの購入は『すべてのアプリ』を創造するための加速剤だ」と述べており、ソーシャルメディア、決済、金融サービスを統合したプラットフォームの実現を目指している。
Xは現在、月間約6億人のユーザーを抱えており、この巨大なユーザーベースを活用した金融サービスの提供が期待されている。
今年1月にはVisaとの提携を通じてX Moneyを年内にローンチする計画を発表したが、12月に入っても技術責任者の募集が続いている。
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今回の求人情報では仮想通貨やブロックチェーンに関する記載はないものの、Xマネーが仮想通貨に対応するかどうかは市場の大きな関心事となっている。
マスク氏は以前からビットコインやドージコインへの支持を表明しており、彼が経営するテスラ社は現在もドージコインによるグッズ決済を受け入れている。また、テスラは2025年第3四半期時点で約13億ドル(約2,028億円)相当のビットコインを保有している。
スカイブリッジ・キャピタルの創設者で元ホワイトハウス広報部長のアンソニー・スカラムーチ氏は4月、Xマネーが仮想通貨を統合すると予測している。
また、コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、ステーブルコインUSDCのX決済システムへの統合を提案している。
アナリストらは、仮想通貨が送金の最速手段であることから、Xマネーが何らかの形で仮想通貨決済に対応する可能性は高いとみているが、現時点でXは正式な発表を行っていない。
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