ビットコイン一時10万5千ドルまで下落、流動性不安再燃|仮想NISHI
*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
ビットコインは月初から下落基調を強めており、価格は一時、10月中旬にバイナンスを中心に発生した流動性ショック(フラッシュクラッシュ)時の水準に迫る10万5千ドル台まで下落した。
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背景には、大手オフショアCeFiであるMEXCの大口アカウント凍結疑惑による不信感の拡大に加え、大手分散型取引所(DEX)兼流動性プロトコルであるBalancerがハッキング被害を受けたことがある。これにより、市場全体で流動性リスクへの懸念が一段と高まっている。
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直近2か月間のビットコインの値動きは、他の主要アセットクラスとの相関がほぼ失われている。S&P500との相関係数は+0.04、Nasdaq100は−0.04、金(ゴールド)は−0.14、原油(オイル)は+0.10と、いずれも有意な関係を示していない。
特に10月中旬の流動性ショック以降、この無相関傾向はさらに強まり、ビットコイン市場特有の要因によって独自の値動きを形成していることが確認できる。
これは、取引所や流動性供給者に対する投資家の信頼低下と資金流出が進行していることの表れである。
オプション市場をみるとプットポジションが大きく増加している(下画像赤枠)。プットコールレシオ(PCR)10月末より上昇傾向にあり(下画像黄矢印)、市場参加者が弱気姿勢へと転じつつあることを示唆している。
また、主要アルトコインの先物価格は依然として現物価格を下回って推移しているが、その価格差は縮小しており、全体的な割安感は薄れつつある。
米国株式市場や日経平均株価など、他のリスク資産が最高値圏で推移するなか、ビットコイン市場は相対的に低調である。その要因として、MEXCやBalancerなどへの信頼低下が挙げられる。
市場への信頼性・流動性不安が重なったことで、ビットコインから他資産への資金シフトが進行している構図となっている。
「暗号資産取引所への信頼性の揺らぎ」からの下落は、ちょうど3年前の2022年11月初旬に発生したFTXショックを想起させている。特に年末にかけては例年、仮想通貨市場のボラティリティが高まりやすくなる傾向がある。過去のショックを経験した投資家の間では潜在的に警戒感が強まっていると考えられる。
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