ビットコイン10万ドル台で再注目、投資魅力が金に接近か=アナリスト
5月10日以降、ビットコインが再び10万ドルを突破し、金価格が調整する中、世界的な投資資金の流れに変化の兆しが見られている。フィデリティのグローバルマクロディレクター、ジュリアン・ティマー氏は先週16日、「金からビットコインへ再びバトン(流動性)が渡されている可能性がある」と指摘し、両資産のシャープレシオ(リスク調整後リターン)が収束しており、投資対象としての魅力度がほぼ同等になりつつあると分析した。
また、Riverのデータによると、現在アメリカ人の多くが金よりも多くのビットコインを保有しているという。
アナリストTechDevは、「金が放物線的に上昇した後、グローバルの流動性がブレイクアウトし、ビットコインへ資金が流れ込んでいる」と指摘。米中通商協議への期待からリスク選好が広がり、すでに最高値を更新した金の上値は抑えられている。
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一方、16日のEcoinometrics分析によれば、2025年第1四半期までは、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策やトランプの関税政策、米国経済の方向性に関する不確実性から「リスクオフ」環境が続き、安全資産とされる金に資金が集中していた。ビットコインETFの資金流入額は昨年の3分の1以下にとどまり、金ETFが資本を引き付けていた状況だった。
また、ゴールドマン・サックスは15日のレポートで金価格について強気な見通しを維持。2025年末までに金価格が3,700ドル(5月21日時点3,294ドル)に上昇すると予測し、景気後退が起きた場合には3,880ドルまで上昇する可能性があると示している。中央銀行の長期的な需要や、ETF投資家が金利引き下げ予想や景気後退懸念を背景に保有を増やしていることが要因とされている。
しかし市場環境は変化しつつあり、Ecoinometricsは米国の貿易政策が明確化し、FRBもソフトなスタンスを示唆。年初に引き締まった金融環境も再び緩和の兆しを見せていることから、ビットコインETFへの資金流入が持続的に強まっていると分析。長期的にはビットコイン価格の上昇を支える要因になるとみている。
なお、上述のティマー氏は価値貯蔵資産の配分において金とビットコインは4:1の比率が理にかなっていると主張。この比率では金のボラティリティがビットコインとほぼ同等になり、相対パフォーマンスも同等になるとしている。現在の市場環境が再びリスク資産に有利な方向に移行するにつれ、ベータ値の高い成長資産であるビットコインへの資金シフトは今後も続く可能性があるという。
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