米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
米暗号資産(仮想通貨)ジャーナリスト、エレノア・テレット氏は15日、米国上院のステーブルコイン規制法案「GENIUS法案(S.1582)」の超党派修正案が、上院で回覧されていると明らかにした。この修正案には、消費者保護、破産、倫理に関する新たな変更が含まれているという。
GENIUS法案は今年2月、ビル・ハガティ上院議員によって最初に提出され、当初は超党派の支持を得ていた。しかし、複数の親仮想通貨派の民主党議員が討論終結に反対票を投じたため、5月8日に否決され、上院での審議進行がストップしていた。その後、法案の文言修正をめぐる超党派協議が再開され、その行方に注目が集まっていた。
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テレット氏がX上で公開した修正案には、以下の内容が含まれている。
テレット氏のその後の投稿によると、共和党のジョン・スーン議員(多数党院内総務)がGENIUS法案の討論終結のための投票申請を行い、19日夜に採決が予定されている。この手続きは法案審議を先に進めるために不可欠だが、8日に行われた投票では、賛成48対反対49で否決されていた。
米メディアSemaforの報道によると、仮想通貨支持派のシンシア・ルミス上院議員(共和党)とカースティン・ギリブランド上院議員(民主党)は、修正されたGENIUS法案の近日中の上院可決に楽観的な見方を示している。
ルミス議員は、戦没者追悼記念日(5月26日)までに上院がGENIUS法案を可決する可能性について、「妥当な目標だと思う」と述べた。
ギリブランド議員は、修正案には民主党の主張が盛り込まれ、消費者保護や破産に対する保護、倫理といった面で改善と大きな進展がみられると語った。同議員は、8日の討論終結に反対票を投じた1人だ。
民主党からは、トランプ大統領とその家族による仮想通貨事業との関わりが利益相反にあたるとして、懸念の声が上がっている。
しかし、ギリブランド議員は、修正案にはトランプ大統領の仮想通貨関連の利益に焦点を当てた条項は含まれないと示唆している。同法案の倫理規定は非常に強力で優れたものだが、倫理法案ではないと以下のように述べた。
仮想通貨支持派のジョン・ディートン弁護士は、GENIUS法案が可決されない場合、強力な仮想通貨法や改革は2029年まで実現しない可能性があると警告した。
ディートン氏は、GENIUS法案は実際には、仮想通貨法案というより「ドル優勢法案」と呼ぶべきだと主張している。米ドルに裏付けられたステーブルコインを支援することにより、米国債の需要が高まり、ドルが世界の主要準備通貨として地位を維持することに貢献できるというのがその理由だ。
同氏は、中国やロシアなどの大国が「脱ドル化」を推進する中、アメリカは迅速に行動しなければならないと強調した。
仮想通貨データプラットフォームMessariの創設者ライアン・セルキス氏も、GENIUS法案が近いうちに可決されなければ、トランプ政権での仮想通貨改革は頓挫する可能性が高いと警告している。
さらに、コインテレグラフのコンセンサス2025での取材によると、特に新興国の仮想通貨ユーザーにとって、ステーブルコインは新たな利用シーンを生み出す可能性があると、Aptosのエコシステム責任者Ash Pampati氏は指摘。また、ステーブルコインの規制整備が次の業界成長の大きな「起爆剤」となり、これまでにない機関投資家の強い関心を引き出し得ると語っている。
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