暗号資産(仮想通貨)投資企業CoinSharesでリサーチ部門のトップを務めるジェームズ・バターフィル氏は8日、ETFなどのデジタル資産投資商品全体の先週における資金フローは、約7.2ドル(約1,116億円)の純流入だったと報告した。
以下の画像の通り、2週連続で純流入が続いたと説明。バターフィル氏は、センチメント(市場の心理)の改善は継続しているとの見方を示している。
全体の運用資産残高(AUM)については、11月の低水準から7.9%増加し、1,800億ドル(約28兆円)になったと説明。一方で、AUMの最高値である2,640億ドル(約41兆円)は下回っているとした。
また、日ごとの資金フローについて、4日と5日は小規模な資金が純流出したと報告。これには米国の継続的なインフレを示すマクロデータが影響したと考えていると説明した。
米国では、5日に米商務省の経済分析局が9月のPCE価格指数を発表するなど、政府閉鎖の影響を受けて過去のデータの発表が行われている。
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投資商品の資金フローを銘柄別にまとめたデータが以下の表。最も純流入額が大きかったのがビットコイン( BTC )で、この週は約3.5億ドル(約549億円)が純流入した。この表からは、ビットコインをショート(売り注文)する投資商品から資金が純流出していることもわかる。
また、ビットコインの投資商品についてバターフィル氏は、ビットコインの価格下落と同時に資金が流出していたと説明。このことは、ETPの投資家が「センチメントの悪化が底を打った可能性がある」と考えていることを示唆しているとの見方を示した。
他にも、アルトコインでは XRP とチェーンリンク( LINK )の投資商品の需要が高かったと報告している。
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なお、国別の資金フローは以下の表の通り。米国、ドイツ、カナダなど広く資金が純流入した。